core 2 duo core i5 エンコード比較
Last update 2012/02/09 19:51
インテルが2011年1月に発売したSandy Bridgeは、動画エンコード機能を強化したとのことですが、対応しているビデオ編集ソフトを使うと、その実力を発揮できるというのでさっそく比較してみました。
VideoStudioでの比較
1つ目の比較は、ビデオ編集ソフトとしては最も有名なソフトVideoStuidoでの比較です。
VideoStudioのバージョンは、12。
Sandy Bridgeに完全対応しているわけではありませんが、CPUパワーの違いを見せつける結果になりました。
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Core 2 Duo |
Core i5 |
CPU |
Core 2 Duo E6400 |
Core i5 2500 |
メモリ |
4GB |
8GB |
OS |
Windows XP Professional
32ビット版 |
Windows 7 Professional
64ビット版 |
素材 |
HDR-XR500Vで撮影したH.264 約16Mbpsの3分15秒ほどの動画。
2つの動画をつなぎ、つなぎ部分にエフェクトをかけた。
また、最初から最後まで字幕を入れた。 |
出力 |
25MbpsのMPEG2ファイルにエンコード。 |
使用ソフト |
VideoStudio 12 Plus |
使用した動画は、SONY HDR-XR500Vで撮影した動画。
最高画質モードで撮影したMPEG-4 AVC/H.264 約16Mbpsのハイビジョン動画。
この動画をVideoStudio 12を使い、2つの短い動画を1つにつなげ、つなぎ部分に「クロスフェード」というフィルターをかけました。
また、最初から最後までテロップを入れ、MPEG2 25Mbpsへエンコード。
以上の条件で、同時スタートさせ、どちらがどのくらいの時間がかかるか比較。
結果
結果に移る前に、いくつか気がついた点を。
エンコード中、タスクマネージャーでCPUの使用率を表示させてみたのですが、Core2Duoの方は100%に近い97%なのに対して、Core i5の方は47%程度。
つまりCore i5の方は、エンコードをしながら他の作業を指定ても、余裕があることを示しています。
実際にエンコード中、ブラウザでサイトを見たり、iTunesで音楽を聞いたりしても重くなることはありませんでした。
また、VideoStudioはエンコード中、エンコード過程をプレビュー表示できるのですが、動画で見てもらえば分かる通り、Core i5のほうがぐんぐん先に進んでいくのがわかります。
上は、実際にエンコード時間を比較しているところを撮影したものです。
エンコード時間 |
Core i5 2500 |
3分43秒 |
Core 2 Duo E6400 |
14分6秒 |
なんと約4倍ほどの速度の大差をつけてCore i5の圧勝。
実際の動画は、3分15秒の長さなのでほぼ、再生するのと同じ時間でエンコードできたことになります。
TMPGEncでの比較
Quick Sync Videoを使った比較
続いてSandy Bridgeのハードウエアエンコーダー(Quick Sync Video)に対応したTMPGEnc
Video Mastering Works 5を使っての比較。
VideoStuidoで使用した動画とは多少違いますが、同じように2つの動画をつなぎあわせ、全編にわたって字幕を入れてみました。
Core i5の方は、「Intel Media SDK Hardware」でエンコード。(Sandy Bridge搭載のパソコンだとこれを選択できるようになっています)
Core 2 Duoの方は、ビデオカードを利用した「CUDA」でエンコード。
(NVIDIAのビデオカードを搭載していると選択できます。こちらもハードウエアエンコーダー)
H.264映像ビットレート4,000kbpsで出力。
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Core 2 Duo |
Core i5 |
CPU |
Core 2 Duo E6400 |
Core i5 2500 |
ハードウエアエンコーダー |
CUDA |
Quick Sync Video |
Core i5 |
Core 2 Duo |
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エンコード時間 |
Core i5 2500 |
2分46秒 |
Core 2 Duo E6400 |
17分20秒 |
続いてどちらもハードウエアエンコーダーを使わないで同じH.264のMP4動画にエンコード。
Core i5の方は、2分46秒から約2.6倍の6分55秒まで遅くなりました。
Core2Duoの方もCUDAを使わない場合、約2倍の36分39秒まで遅くなりました。
エンコード時間 |
Core i5 2500
Quick Sync Videoを使わない場合 |
6分55秒 |
Core 2 DuoCUDAを使わない場合 |
36分39秒 |
こちらは、「Core i5+Quick Sync Videoなし」と比べて、なんと約6.5倍ほどの差がつきました。
Core2Duoを使っていた時も、速い速いなんて思っていたのですが、Sandy Bridgeはそんなレベルではないみたいです。
また、ハードウエアエンコーダーを使わない場合(x.264でエンコード)は、Core i5でも6分55秒かかりました。
WMV
さて、このように動画のエンコードに威力を発揮したQuick Sync Videoですが、実はMPEG2/MPEG4
AVC用のハードウェアエンコーダーで、WMVやAVIなどには対応していないらしいです。
そこで、今度は同じ編集内容でWMV(Windows Media Videoの略で、マイクロソフトが無料で公開している高画質エンコーダー)に変換してみました。
今回は、1980x1080の解像度で、1,000kbpsの映像ビットレートで出力してみました。
すると、やはりおどろくべき結果に。。。
エンコード時間 |
Core i5 2500 |
13分9秒 |
Core 2 Duo E6400 |
61分39秒 |
なんと、どちらもめちゃめちゃ時間がかかりました。
特にCore 2 Duoの方は1時間以上も!
まとめ
TMPGEncを使ったエンコードの場合、「Core i5 + Quick Sync Video」でエンコードした場合と、「Core 2 Duo +
CUDAなし」でエンコードした場合のかかった時間は、約13倍ほどの差がつきました。
H.264 MP4へのエンコード時間 |
Core i5 2500
Quick Sync Video |
2分46秒 |
Core 2 Duo CUDAを使わない場合 |
36分39秒 |
もし、ビデオ編集をしているのだけれど、パソコンが遅い!なんて人は、この際パソコンを新しく買い換えたほうがストレスなく編集できるようになるでしょう。
買い換える際の注意点
なお、現在発売されている最新のパソコンは、ほぼSandy Bridge搭載のパソコンなのですが、中には中古パソコンや一部の安価なパソコンには搭載されていない可能性があります。
Sandy Bridgeが搭載されているかの目安は、
などと記述されたものを選択すれば間違い無いと思います。
Sandy Bridgeは、第2世代のCore iなのですが、この世代から2700や2500というような4桁の数字でプロセッサー・ナンバーが表されるようになりました(それまでは3桁)。
Core i7には、2600、2700がありましたが、最新のCPUは3820や3930が追加。
Core iシリーズには、i3、i5、i7があり、数値が上がるほど高性能ですが価格が高く消費電力も多くなるので、中間的な存在のi5がおすすめ。
上記のように、Core 2 Duoに比べて圧倒的なCPUパワーを見せてくれると思います。
以上の結果から、Quick Sync Video+CUDAのダブルハードウエアエンコーダーを利用すれば、もっと差がつくんじゃないか。と思えるかもしれませんが、Quick
Sync VideoとCUDAはそれぞれ単独でないと使えないので、エンコード目的で買い換えるのであれば、ビデオカードは搭載させなくても大丈夫だと思います。(ビデオカードを搭載すると、Quick
Sync Videoが使えなくなることもあり)
再生
Sandy Bridgeが性能を発揮すうるのは、エンコード時間だけではありません。
Core 2 Duoのパソコンの方では、ハイビジョンビデオカメラからPMBというソフトで映像を取り込んだ時にプレビューさせると、カクカクしてとてもスムーズに再生できるものではありませんでした。
音声も途切れ途切れで、動画再生支援機能を搭載したPowerDVDのような有料ソフトを使わないと、スムーズに再生できませんでした。
ところがCore i5では、PowerDVD以外のほとんどのプレーヤーでもハイビジョン動画を再生させてもスムーズに再生されました。
ちなみにWindows 7では、H.264でエンコードされた動画もメディアプレーヤーで再生することができます。
性能の比較
ALU(整数演算速度) |
Core i5 2500 |
69,682 |
Core 2 Duo E6400 |
17,698 |
FPU(浮動小数点演算速度) |
Core i5 2500 |
61,019 |
Core 2 Duo E6400 |
17,698 |
ベンチマークの比較 |
Core i5 2500 |
Core 2 Duo E6400 |
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今度は、ベンチマークでの比較です。
ALUとは整数演算速度のことで、一般的なCUPの性能を指します。
それに対してFPUは、浮動小数点演算速度のことで、主に3Dレンダリング速度に関係してきます。
エンコード時間に差がついたのは、CPUの持っている処理能力の高さも関係しているようです。
実は、VideoStudio 12では、Sandy Bridgeのハードウエアエンコードの処理能力を完全に引き出してはいません。
Sandy Bridgeのハードウェアエンコード能力に対応しているビデオ編集ソフトは、TMPGEnc Video Mastering Works 5になります。
その他にも、ビデオ編集ソフトの中でもVideoStudioと人気を二分する、ハイビジョン対応ビデオ編集ソフトPowerDirectorもSandy
BridgeのQuick Sync Videoに対応しているので、ビデオカメラで撮影した映像を編集したいのだけれど、パソコンが重くて億劫だ。と感じていた人は、是非、パソコンの買い換えをお勧めします。
もう、別次元の快適さを味わうことができます。
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Yahoo!ブックマークに登録 2012/02/09 19:51 | | |