高画質 eyeVioの比較
Last update 2008/01/06 23:30
eyeVio
YouTubeという革命的なサイトが登場し、ハイビジョンビデオカメラが普及し、いよいよ動画共有サイトも革命の波が押し寄せてきたようです。
動画共有サイトとしては後発のSonyが運営するeyeVio(アイビオ) が、2007年9月7日より、DVD画質に迫る「eyeVio High Quality Video 」を公開しはじめました。
このeyeVio High Quality Videoは、DVDに迫る高画質で動画を公開できる機能で、YouTubeといった低画質の動画ではせっかくハイビジョンビデオカメラで撮影しても、まるで携帯電話で撮影したかのような画質まで劣化して公開されていました。
今のところ、数々の動画サイトの中でもマイクロソフトが運営するsoapbox が最も高画質だったので、当サイトでもsoapboxを好んでアップロードしていました。
ところが、今回のeyeVioの高画質化はsoapboxの比ではありません。
High Quality Videoとは
CNET Japan によれば、
eyeVio High Quality Videoの映像フォーマットはFLVストリーミング形式。画面サイズは16:9(640×368 )または4:3(480×360)、ビットレートは1.5Mbps 。アップロード対応入力データ形式は、mp4、m4v、mpeg、mpg、flv、wmv、aiv、mov、qt、vob、rm。アップロード時の容量制限は、1ファイル150MBまでとなっている。
となっています。
「DVDクラスへ高画質化」と書かれていますが、実際にはDVD-Videoは、解像度が720x480 で、ビットレートが最大約9Mbps なので、DVDクラスとは言い難いのですが、それでも今までの動画サイトに比べえらい進歩です。
ただし、ハイビジョン動画は解像度が1440x1080 以上、ビットレートが15Mbps 以上(HDVやBS/CSハイビジョンは25Mbps、地上デジタル放送やAVCHDが15Mbps )なので、やはりハイビジョンビデオカメラで撮影しても、かなり劣化はしいられることになるわけですが・・・。
2008年には、ハイビジョン画質にも対応するそうなので、今後もますます目が離せなくなりました。
動画共有サイトを利用するメリット
YouTubeや、eyeVioといった動画サイトのことを「動画共有サイト 」といいます。
動画共有サイトを利用するメリットとしては、たとえば私の元に多く寄せられる質問で最も多いのが、ハイビジョンビデオカメラで撮影した動画を、知人や親戚・親族になるべく高画質で見せたい。という要望です。
そして、ほとんどの人が撮影した動画をDVDに焼いてテレビで見られるようにしたい・・・という人が最も多いです。
ところが、昨今のパソコンの普及率を考えると、DVDに焼いてみんなに配るよりeyeVioのような動画共有サイトにアップロードして、パソコンやプレステ3、XBOX360で見る。という選択肢が増えることになります。
これなら、見たいときにいつでも好きなだけ再生できますし、公開する側としてもアップロードしてあとはURLをメールなり教えるだけで住みます。
eyeVioがハイビジョン画質に対応した場合、おそらく最終的には今のDVD-Vidoeより高画質になるかもしれません。
YouTubeが登場してまだ数年でこの進化。
この分野はますます期待できそうです。
各動画共有サイトでの比較
さて、そこで気になるのがeyeVioがどれくらい高画質なのか、各動画共有サイトでの画質の比較でしょう。
今回の記事では、私が撮影したハイビジョンビデオカメラの映像を用いて、YouTube、Soapbox、eyeVioでの画質の違いを紹介したいと思います。
パターン1
上の画像は、元のハイビジョン動画を約半分に縮小した画像です。
クリックすると拡大表示されますが、葉の繊維までくっきり写っているのが確認できます。
上の画像は、YouTubeにアップロードした動画です。
実際の動画はこちら。
実際の動画は、横425ピクセルなのでもう少し小さいのですが、今回比較のためにeyeVioで公開される大きさにそろえてみました。
元の映像に比べ、かなりぼやけています。
先ほどくっきり見えた繊維も、まるでつぶれています。
こちらは、Soapboxにアップロードした映像です。
YouTubeに比べてると俄然高画質ですが、ここまで拡大するとジャギー(色と色の境目のギザギザ)が目だちますね。
実際の動画はこちらになります。
こちらがeyeVioにアップロードした動画です。
上のSoapboxのものに比べ、ジャギーが少なく水滴もくっきりしています。
この大きさだと、元の画像に比べそれほど劣化していないことがわかります。
実際の動画はこちらです。
3つのサイトの映像をわかりやすいように並べてみました。
これを見てしまうとYouTubeにアップロードしたいとは思わなくなるのではないでしょうか。(笑)
こちらも3つのサイトの映像を比較した画像です。
やはりeyeVioが圧倒的に高画質ですね。
動画比較
↑クリックするとさらに高画質な映像を見ることが出来ます。
Soapboxでの映像
パターン2
なぜ3つのサイトでこれだけの差が生じたかというと、映像ビットレートの差 です。
先ほどeyeVioは映像ビットレートが1.5Mbps といいましたが、おそらくYouTubeは0.3~0.5Mbps程度 。
Soapboxは、0.7~1.0Mbps 程度だと思います。
さて、パターン1のような比較的色数が少ないような映像は、映像ビットレートの差がそれほど付きません。
色数が少なければ少ないほど、映像を圧縮しやすいからです。
そこで今度は、最も映像圧縮が苦手とするような動画で比較してみました。
上の画像は、元の映像の1部です。
このように細かい砂利や芝生、そして水たまりに落ちる雨・・・というのは、映像を圧縮して映像ビットレートを下げれば下げるほど、ブロックノイズが発生し画像の劣化が一目瞭然になります。
この動画をYouTubeにアップロードすると・・・
先ほどのパターン1では、YouTubeでもまだまだ見られる画質でしたが、パターン2だとここまで劣化が・・・。
とてもハイビジョンで撮影したとは思えませんね。
こちらがeyeVioにアップロードした動画です。
元の画像に比べると画質は劣化しているものの、YouTubeのそれと比べれると全然違いますね。
実際の動画
eyeVioの方が映像が小さくなっていますが、eyeVioではブログに貼りつける映像は、400pxに制限されている為です。
映像をクリックすると、640pxの高画質な映像を見ることが出来ます。
eyeVioの長所
実は、このeyeVioをおすすめする理由は、単に高画質なだけではありません。
DVDに迫る高画質
これに関しては、上で比較した通りです。
DVDほどではありませんが、今までの動画共有サイトの常識を覆す高画質になっています。
同じような高画質を売りにしたサイトとして、Stage6というのがありますが、こちらのサイトの動画はDivXというコーデックがインストールされていないと、再生することができません。
コーデックは簡単にインストールすることができますが、私の友人の様子を見ているとこのコーデックを実際にインストールしてくれる人は、ほとんど皆無でした。
なのであまりおすすめできません。
それと、Stage6はアップロードしても頻繁にエラーになることが多く、何度もアップロードしなければならないことが多々あったため、おすすめできません。
日本語完全対応
eyeVioは、Sonyが運営しているサイトなので日本語完全対応は当たり前ですが、実は完全に日本語対応した有名どころの動画共有サイトは、YouTubeしかありませんでした。
Soapboxも、以前紹介したblip.tvも、高画質なのですが動画タイトルや、コメント、タグに日本語を使えません。
また、検索する場合も日本語には完全には対応していません。
この事は、アップロードする側も、検索する側も使いにくさを犠牲にするのは否めません。
公開が早い!
実は、実際に動画共有サイトに動画をアップロードしてみればわかるのですが、アップロードが完了してから実際に公開できるまで非常に時間がかかります。
たとえば、Soapboxなどはだいたい30分から1時間ぐらいかかります。
これはブログなんかで使いたい場合、非常につらい!
動画はアップロードされたあと、サーバー側のソフトで適正なサイズに圧縮されます。
この事をエンコードと呼びますが、非常にCPUパワーを使用する処理で、ただでさえ1日に数千、数万の動画がアップロードされるため、致し方ないのですがアップロードした側としてはこの待ち時間がつらい!
しかも、頻繁にエラーになることも多く、30分待ったあげくエラー・・・なんて場合は目も開けられません。
ところが!!!!
eyeVioは、アップロードが完了して3~5分ほどでエンコードが完了!
ちょっと目を離した好きにすでに公開可能となっていることも多く、非常にストレスがありません。
この3つをメリットを実現させたサイトは、しばらくは登場しないでしょう。
自分の作品をなるべく高画質で公開したい場合、eyeVioは無敵の強さを誇ります。
次回以降、このeyeVioのアカウントの取得方法と、アップロード方法を紹介したいと思います。
☆注意!!
eyeVioをはじめ、動画共有サイトに動画をアップロードするためには、TMPGEnc という映像圧縮に特化したソフトが必要です。
VideoStudioやWindows Movie Makerといったビデオ編集ソフトでもできないことはありませんが、アップロード前に適正なファイルサイズにエンコードする必要 があります。
なので、動画をアップロードする場合はTMPGEncを使用することをおすすめします。
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