HDVとAVCHD

2007年現在、ハイビジョンビデオカメラは「HDV」規格と「AVCHD」規格の2種類の記録フォーマットに別れています。

ハイビジョンカメラ奮闘記

 
 
 
   
 
 
 

HDVとAVCHD

Last update 2007/04/27 01:56

 

 

現在(2007年4月)、ハイビジョンビデオカメラには「HDV」と「AVCHD」という2種類の規格でデータを保存する機種が発売されています。
HDVは、DVテープを。
AVCHDは、DVDやHDD、そして最近ではSDカードに記録する機種になります。

以前、記録メディアはどれにする?を書いたときは、ハイビジョンビデオカメラを購入してから1週間目程度に書いた記事だったので、あまりこの二つの違いがよくわかりませんでした。
私が購入したものは、SONYのハンディカムHDR-HC3という機種で、DVテープに記録するHDVです。
購入してから1ヶ月もたっていないのですが、すでに100GB程度撮影し、いろいろ編集してみて感じたことや、インターネット上でいろいろ調べた知識からもう一度、どのタイプのハイビジョンビデオカメラがお勧めなのか、また注意点等も見ていきたいと思います。

HDV

DV

MiniDVテープ。なぜか63分という中途半端な数字。ハイビジョンビデオカメラが登場する前、アナログ方式で記録する8mmカメラやVHS-Cに記録するビデオカメラに取って代わって登場したのが、デジタルで映像を記録するDVビデオカメラでした。
デジタルでデータを保存するため、圧倒的な高画質とダビングしても画像が劣化しないためあっという間に普及しました。
左の画像は、DVビデオカメラで映像を記録するDVテープ(MiniDV)です。
これ一本で約1時間程の映像を記録することができます。

CANONのDM-FV300左の画像は、私が持っているスタンダード画質のビデオカメラのCANON DM-FV300です。
ハイビジョンビデオカメラが登場するまでは、ビデオカメラといえばスタンダード画質のビデオカメラでした。
これらのカメラは、DVテープを使用していました。

ハイビジョンとHDV

そこへハイビジョンビデオカメラの登場です。
スタンダード画質とハイビジョンの画質を比べてみるとわかるのですが、圧倒的にハイビジョンの方が高画質です。
当然の事ながらデータ量も増えるため、今までのDVテープへ記録すると半分の時間しか記録できなくなってしまいます。
そこでMPEG2という映像圧縮技術を使って圧縮して保存する規格が誕生しました。
これがHDVです。
DVも映像は圧縮されていますが、MPEG2はより圧縮率が高いため同じDVテープを使用して同じ時間録画することができるようになりました。

HDVの特徴

今のところHDVを採用しているビデオカメラは、記録メディアとしてDVカセットテープ(MiniDV)を使用するものだけのようです。
また、パソコンとの接続は、iLink(IEEE1394)を使用します。
パソコンとの接続方法に関しては、パソコンと繋ぐiLinkとUSBを参考にしてください。

ビットレートが25Mbpsと非常に高い(DVD-Videoでは最大約9.6Mbps)ので、ハイビジョンの映像を高画質のまま記録することができます。
また、AVCHDより前に作成された規格であるため、ある程度普及しており、Windows XPでは専用のソフトを使用すれば、Windows Vistaでは「Windows Vista Home Premium」 および 「Windows Vista Ultimate」であれば標準でパソコンに取り込むことができ、自由に編集も可能です。
AVCHDは、映像の圧縮にAVC/H.264を使用するのですが、対応しているソフトがまだあまりないのと、今までのDVDプレーヤーでは再生できないという難点があります。

互換性の意味から選ぶとしたら、HDVの方が一日の長があるかもしれません。
今後はAVCHDが普及していくとは思いますが、今の段階ではまだまだAVCHDが生き残るかどうかは誰にも予想できない段階のようです。(プレステ3やブルーレイディスクで再生可能なので、HDVに取って代わるとは思いますが・・・)

また、DVテープを使用するため、ランニングコストが安いです。
5本セットで200円台のお店もあるようです。

HDVの長所

HDVの長所というか、DVテープを使用するビデオカメラという面も含めた長所を見ていきます。
まずは、今いった通り記録時間に対するメディア単価が安いのが長所でしょうか。
8cm DVD-Rは400~500円ほどするのに、1度使ったら上書きもできないし、1枚で20~30分程しか記録できません。

また、先ほども書きましたが、HDVはWindowsパソコンに取り込む事が容易なため、パソコンで編集したいという場合にはうってつけです。
SONYのハンディカムHDR-HC3を購入したときは、HDDに記録するカメラを買わなかったことに公開しましたが、使ってみるとDVテープを使用するHC3でよかったと思っています。
頻繁に撮影する人や、私のようにパソコンで編集したい!なんていう人には、お勧めなのがHDV規格のハイビジョンビデオカメラです。

HDVの短所

HDVというかDVテープを使用するため、頭出しや巻き戻しに手間がかかります。
DVDやHDDに慣れている私としては、一番の不満ですね。
ただし、撮影後すぐにパソコンに取り込んでしまうので、巻き戻すのはせいぜいパソコンとつなげるときだけなので、そうイライラすることはありませんが。
また、仕組み上1倍速でしかパソコンに転送できません。
1時間の映像をパソコンに転送するのに1時間かかるのは憂鬱かな・・・。

それと、パソコンや他の機器とはiLinkを使用するのですが、これがこのiLinkケーブル、たいてい別途購入しないといけないようで・・・。
安いのでかまわないのですが、せっかく購入してパソコンに転送しようと思ったらケーブルがなかった。なんて思いをする人は多いと思います。

あとは細かい点ですが、テープを使用するため録画できる状態になるのに時間がかかるのと、何となく駆動部が壊れやすそうな・・・。
テープが取り出せなくなったり・・・ね。
そのぐらいでしょうか。

あぁ、それとビットレートが25Mbpsもあるため、パソコンに取り込むにしても非常にファイルサイズが大きくなります。
20分程の映像が、4GBほどにもなります。
4.7GBのDVD-Rは、4GB以上のファイルを焼くことができないため、ちょっと面倒かも。

AVCHD

AVCHDの特徴

実は、私はまだAVCHDのカメラを触ったことがないので、何とも言えないのですが・・・。
ただ、映像の圧縮にAVC/H.264を使用ためパソコンで再生するには、専用のソフトをインストールしないといけない、DVDに焼いても既存のDVDプレーヤーでは再生できません。
とはいえ、HDVのMPEG2と比べて半分のビットレートで同じ程度の画質を再現できるため、同じファイルサイズで倍の時間録画することができます。

AVCHDの長所

AVCHDの長所というか・・・。
AVCHDを採用しているビデオカメラは、記録メディアがDVDやHDD、SDカードなので、
・巻き戻しが不要
・シーンの頭出しが容易
・いらないシーンの削除も容易
・誤って上書きする心配がない
・パソコンへ転送するのもはやい(ただし、転送するだけ)
・ファイルサイズがHDVに比べ小さい
というメリットがあります。
AVCHDを採用したハイビジョンビデオカメラは各メーカーから販売されはじめているので、今後ハイビジョンといえばAVCHDという日が来るかもしれません。

AVCHDの短所

AVCHDという規格自体が新しいので、再生する機器があまりありません。
撮影したものの、いざ再生させようとする場合、ビデオカメラ自体かブルー・レイディスクプレーヤーのような次世代DVDプレーヤーがないと再生することができません。
また、Windowsでは標準ではサポートしておらず、専用のソフトを使わないと編集も再生もできないようです。

それと、いちおうは普及しだしてはいるものの、今後も生き残り続ける規格かは今の段階では予測できないようです。

記録メディアとして、8cm DVD-RやHDD、そしてSDカードを使用するのですが、8cm DVD-Rは1枚400~500円もする割りに、30分程しか記録できず、1度記録するとそれ以上記録することができないというランニングコストが非常に高くなります。
さらに、DVDでありながらAVCHDで記録するため今までのDVDプレーヤーでは再生できません。

HDDは11時間以上記録できるのですが、ある程度記録したら別のメディアに記録しなければならず、そうなると再生させるのに、ブルー・レイディスクプレーヤーやパソコンの専用ソフトが必要で出費が避けられそうにありません。

SDカードにしてもしかり。
今現在4GBのSDカードが登場していますが、1枚1万以上もするので撮影しては他のメディアに移し替えるという手間が生じますし、HDDと同じく、再生させるには出費が伴います。

お勧めは

画質に関しては、HDV、AVCHD共にそれほど差があるわけではないようです。
ただし、より画質を追求したい場合は、高ビットレートのHDVに軍配が上がるかもしれません。

頻繁に撮影するような人であれば、メディア単価が安いHDVがお勧めです。
インターネット上で捜せば、5個で1000円程度のMiniDVを販売している店もごろごろしています。
ただし、生まれてきた子供を撮影したい。なんていう人や、あまりAV機器には興味がないなんていう人は、そう頻繁に撮影しない(購入時はたくさん撮影するかもしれませんが・・・)ような場合は、HDDを搭載したAVCHDで十分かもしれません。

ビクターから発売されたエブリオGZ-HD7という機種は、60GBのHDDを搭載していますが、どうもHDVでもAVCHDでもないらしく、どちらかというとHDVに近い企画を採用しているようで、映像圧縮にMPEG2を採用し、60GBありながら7時間(フルハイビジョン1920x1080で保存する場合は5時間)しかできないようです。

パソコンで編集したい、もしくはパソコンで見たいなんていう場合は、HDVがお勧め。
上で書いた通り、Windowsに取りこむのも編集も再生も容易なためです。
ただし、ブルーレイディスクやプレーステーション3を持っている場合や、パソコンを持っていない人にはAVCHDが向いてるかもしれません。

どちらにしろHDVにしろAVCHDにしろ、まだ普及期なのでどちらがお勧め。ということはまだまだ言えないようです。
私の場合、HDVを採用したSONYのハンディカムHDR-HC3を購入したわけですが、今のところは十分満足。
ただ、DVDタイプは今後も買わないでしょうね。
8cm DVD-Rが1枚50円ぐらいになったら考えますけれどたぶん無理でしょう。
となると、12cm DVD-Rに記録できるタイプが登場したら買いかもしれません。
HD DVDやブルーレイディスクに記録できるビデオカメラの登場はまだ先でしょうし、登場したとしても1枚が非常に高価でしょうし。

Windowsの方でAVCHDへの対応が普及したら、SDカードに記録するタイプが欲しいですね。
ケーブル無しで、カードリーダーに刺すだけでパソコンに転送できるのは魅力的です。
今の段階で私が言えるのは、とりあえずDVテープに記録するHDVであれば困りはしない・・・ということでしょうか。

 

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